ズバリ!実在賃金統計ドットコム > 消えた年収>男性の平均年収は542万円だが、実際には400万円台が"相場"

消えた年収>男性の平均年収は542万円だが、実際には400万円台が"相場"

 平成19年の本統計によれば「平均年収」は次のようになっている。

  男性542万円(平均年齢44.2歳)
  女性271万円(平均年齢43.9歳)
  男女計 437万円(平均年齢44.1歳)

 ただし、この「平均」という言葉に気を付けて欲しい。そもそも給与相場とは、何をもとに考えれば良いのだろうか? 主に次のような2つの方法が考えられる。

  ◎中位数(上から数えて50%目の人の値)
  ◎平均値(総合計÷人数=平均)

 平均というのは「総合計÷人数」という算式から割り出される。中には高い人もいるから、その数字は上の方に引っ張られる傾向がある。それに対して「中位数」は「上から数えて、ど真ん中の人」という意味だ。
 国税庁のデータには、人数分布が載っている。「平均年収」を下回る人は人数を数えると、6割近くいる。中位数を発表していないが、人数分布からすれば中位数は、400万円台になるはずだ。
 つまり「中位数は平均値を数十万円下回るもの」なのだ。多くの人は「平均=センター(中心)と思っている」のではないだろうか? 著者はこれを「平均という名のトリック」だと表現したい。
 このあたりは学校の通知表にたとえるとわかりやすい。昔の通知表は相対評価だった。だから「3の人」は「ど真ん中の人」だった。いってみれば「中位数」がこれに相当する。これに対して「平均」は、いってみれば「3・5」ぐらいのレベルに相当するものだ。
 著者は、給与相場は「中位数」をもとに論じるべきだという持論を持っている。だから作成している「ズバリ! 実在賃金」は「中位数」という考え方を採用している。そして次のような3本のラインを引くことによって、社員の給与がどこに位置するのか一目瞭然にしている。
  上位線(上から数えて25%目の人)
  中位線(上から数えて50%目の人)
  下位線(上から数えて75%目の人)

事業所規模計.gif


平成19年 民間給与実態統計調査から転載
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2007/pdf/05.pdf