消えた年収>給与が低いところで安定していた九州の南部地域「これでもまだマシか」
熊本<熊本国税局管内の指数>
給与総額(0.96)=勤労者数(1.01)×平均年収(0.96)
<うち中小企業の指数>
給与総額(1.02)=勤労者数(1.02)×平均年収(1.00)
◆勤労者、平均年収の落ち込みが他の地方より少なかった九州の南部地域
熊本国税局の管内は熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県である。九州の南部地域の給与総額は、5兆9482億円から5兆7355億円となり、2126億円減で0.96。この要因は、平均年収の減少が大きい。376万円から361万円になり、15万円減で0.96。勤労者数は、157万人から158万人になり、1万人増で1.01。
以上のように、九州の南部地域では、他の地方に比べると平均年収、勤労者を維持しているといえる。
◆年収は低いなりに安定していた九州の南部地域
九州の南部地域の給与総額を、性別にみてみる。男性、女性ともに減少しているものの割合的には大きく減少していない。
男性の給与総額は、4兆2307億円から4兆592億円になり、1715億円減で0.96。減少した要因は、平均年収の減少だ。480万円から443万円になり、36万円減で0.92。しかし、勤労者は増加しており、88万人から91万人になり、3万人増で1.04。
女性の給与総額は、1兆7174億円から1兆6762億円になり、411億円減で0.98。減少した要因は、勤労者数の減少だ。69万人から67万人になり、2万人減で0.97。平均年収はほぼ横ばいで、246万円から248万円になり、2万円増で1.01。
以上のように、男性の平均年収をのぞいて、他の地域と比較して減少率も少なく安定している感じがある。
◆給与分布の変化がほとんどない九州の南部地域
平均年収を「300万円以下」「300万円超700万円以下」「700万円超」に区分したのが表Lである。他の地域と違い熊本の最大の特徴は、平均年収の分布がこの10年でほとんど変わっていないということだ。「300万円以下の人」は45%から49%になり、4ポイント増だった。
◆表L 熊本国税局年収分布推移