岐阜県 公的な賃金の統計を批評する!/岐阜県経営者協会 岐阜県賃金資料
岐阜県経営者協会 岐阜県賃金資料の賃金の額には疑問符がある。中小企業の賃金はこんなに高くないはず。?北見式賃金研究所の調査ではまったく違う賃金が明らかになった。岐阜県経営者協会の調査は実態を反映していない北見 この岐阜県経営者協会の岐阜県賃金資料は、私の手元にあるのが平成20年版ですので、これを元に論じます。この岐阜県経営者協会の岐阜県賃金資料の中で、興味が涌くのは、賃金の相場を明らかにした「賃金実態」という項目の箇所です。そこには、次のように書かれています。
「1カ月の所定労働時間内賃金を調査したものである。なお、賃金は通勤手当を除いた手当を含めた額と、基本給部分(役付手当は除く)の額に分けて調査した」
総務部長 なるほど参考になりそうですね。
北見 うーん、じっくり見ると、疑問があります。例えば次のような賃金の額です。
高校卒 50歳 所定内賃金359158円(うち基本給297065円)
これは、「ズバリ! 実在賃金 岐阜県版 22年度」の一般男性社員の所定内賃金と差があり過ぎます。「ズバリ! 実在賃金」の岐阜県版は、一般男性社員の所定内賃金として次の額を示しています。
50歳 上341000 中290000 下265000
つまり岐阜県経営者協会の岐阜県賃金資料は「359158円」だといっていますが、「ズバリ! 実在賃金 岐阜県版」によれば「290000円」です。
総務部長 この差はなぜ生じるのでしょうか?
北見 1つの理由として考えられるのは、管理職の扱いです。岐阜県経営者協会の岐阜県賃金資料は、「学歴別」に作っていて「職位別」にはなっていません。例えば「大卒」であっても「非管理職」は大いにありえますね? また「高卒」であっても「管理職」はありえますよね?
総務部長 もちろんです。
北見 岐阜県経営者協会の岐阜県賃金資料の集計の方法では次のような現象が起こりえます。
50歳 高卒 非管理職 所定内賃金 30万円+時間外手当10万円=40万円
50歳 高卒 管理職 所定内賃金 50万円
この2人がいた場合に、「高卒 所定内賃金」の平均値は「(30万円+50万円)/2」ということで40万円になってしまう。
総務部長 なるほど、上に引きずられますね。
北見 おまけに「平均値」を使っています。平均値を下回る人は、6割近くいます。
総務部長 ということは、一般社員で時間外手当をもらう「男性 高卒」は、もっともっと下だということになりますか?
北見 そうです。相当下になります。
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